「練習ではあんなに上手いのに、試合になると別人みたい」——そんな姿を見て、やきもきした経験はありませんか。

技術は十分あるはずなのに、いつもの力が出せない。その原因の多くは、技術ではなくメンタル(気持ちの状態)にあります。

  • 練習や試合で子供がいつものプレーできていないのは何で?
  • 子供が伸び伸びとプレーする為に指導者や保護者ができることは?
  • メンタルってどうやって良くするの?

と考えている方に向けて、この記事では子供たちが良いメンタル状態でプレーするには、どうしたらいいのかを紹介していきます。

この記事の結論(先に要点だけ)

ポイント要点
良いメンタルとは気持ちが強いことではなく、壁にぶつかった時にポジティブに考え直せる状態
なぜ重要か少年期はチャレンジと吸収の量が成長を決める。良い状態ほど挑戦が増える
危険な声かけ「やる気ないなら辞めろ」など、萎縮させる言葉が挑戦を止める
大人ができること①チャレンジを褒める ②家族が一番の理解者 ③小さな成長を見つけて褒める

あなたは「良いメンタル状態」とはどういう意味か、きちんと説明できますか?

良いメンタル状態とは単純に気持ちが強いという事ではなく、困難や壁にぶつかった時にポジティブな発想に繋げる事です。「次はこうしてみよう」や「今のプレーはここが良くなかったかな?」とポジティブに考えて修正できる状態が、良いメンタル状態といえます。この状態を常に保てるような環境や声かけがとても重要です。

この記事を読んで、子供が成長するための良いメンタル状態の作り方の、参考にしてみてください。

そもそもメンタルとは?

先に、この章の要点です。

  • メンタル=精神的な「気持ちの状態」
  • 調子が良い時は色々な事にチャレンジできる
  • 「強い・弱い」より「良い・悪い」で捉えるとわかりやすい

メンタルとは精神的な「気持ちの状態」です。

気持ちの調子が良い時(良いメンタル状態)は色々な事にチャレンジできます。逆に気持ちの調子が悪い時(悪いメンタル状態)は何をしても良い結果が出ずにネガティブなサイクルにはまってしまいます

「メンタルが強い」とよく聞きますが、メンタルは良い・悪いという表現の方がわかりやすいです。良いメンタル状態とは、自分の可能性を広げられる気持ちの状態なのです。

よくある誤解:「メンタルが弱い子」というレッテルは、本人を追い込むだけです。弱いのではなく、今たまたま「悪い状態」に入っているだけ。状態は環境と声かけで変えられます。

少年サッカーにおけるメンタルの重要性

なぜ少年期にメンタルがそこまで大切なのか。理由はシンプルです。

  • 少年期はチャレンジする機会と吸収する度合いが大人より大きい
  • たくさん失敗し、そこから学ぶことで上手くなる
  • 悪い状態だと、その「チャレンジの回数」が激減してしまう

少年サッカーの選手にとって、メンタルはとても重要です。何故なら、チャレンジする機会と吸収する度合いが、成人のサッカー選手に比べてもとても大きいからです。

少年サッカーでは沢山チャレンジして、沢山失敗することで、学んで上手くなっていきます。チャレンジする時に良いメンタル状態でないと、チャレンジする回数が激減してしまいます。チャレンジする回数が減ってしまうということは、子供たちにとってとても勿体無いことです。

子供たちの成長には、沢山チャレンジする良いメンタル状態が必要です。この「たくさん挑戦してたくさん失敗する」環境づくりは、少年サッカーは楽しむことが上達の近道という考え方とも深くつながっています。

危険! よくないメンタル状態とは?

まず、子供を悪い状態に追い込みやすい声かけを一覧で確認してください。

ありがちな声かけ子供が受け取るメッセージ起きること
やる気ないなら辞めろ自分は必要とされていない萎縮・意欲低下
何回同じことやってるんだ失敗=怒られることミスを恐れて挑戦しない
もっと頑張れ今の自分では足りない何をすべきか分からず空回り
お前のせいで負けた失敗は自分の責任プレーが消極的になる

少年サッカーを良く見る中で、指導者や保護者、チームメイトの声かけや行動で、子供たちのメンタル状態がガラッと変わってしまう事があります。

僕が感じた、子供たちが悪いメンタル状態になってしまう声かけをいくつか紹介します。それが、上の表に挙げた4つです。これらは全て少年サッカー大会や対外試合などで、指導者さんや保護者さんが実際にしていた声かけです。この声かけをされた子供が、良いプレーができなかったのは言うまでもありません。

ネガティブな声かけでは、子供たちがどんどん萎縮してしまいチャレンジができなくなり、悪いメンタル状態になってしまいます。チャレンジできないメンタル状態は、子供たちにとってとても危険な状態と言えます。

よくある失敗:良かれと思って試合中に指示を出し続けてしまう。声をかけるほど子供は「見られている・評価されている」と感じ、萎縮します。プレー中はまず見守り、褒める言葉を主役にしてみてください。声かけの具体例は少年サッカーの声かけ・コーチングのコツでも掘り下げています。

理想的ないいメンタル状態とは?

理想的な良いメンタル状態とは、常にチャレンジし、ポジティブな考えができる状態です。

良いメンタル状態であれば、上手くいった時はより上手くいくように考え、上手く行かなかった時も修正して成功できるように考える事ができます。このように、良いメンタル状態の子供は、失敗を失敗のまま終わらせず、失敗を成功に変えることができるため、成長速度が早くなります。

悪いメンタル状態の子供は「失敗を失敗のまま放置」し、酷い場合は人のせいにするので、成長速度が遅くなります。

良いメンタル状態悪いメンタル状態
失敗した後「次はこうしよう」と修正するそのまま放置・人のせいにする
チャレンジ増える減る
成長速度早い遅い

「失敗を成功に変える」為に、良いメンタル状態が必要不可欠なのです。そして、指導者さんや保護者さんは子供たちの成長を促す為に、ポジティブな環境・声かけをする事が大切です。指導者側の視点は少年サッカーの指導で大切にしたいこともあわせてご覧ください。

子供の良いメンタル状態を作るために、大人ができる3つのこと

まず、大人ができることを3つに整理します。

  1. 子供の「チャレンジ」を受け止めて褒める
  2. 「家族」という1番の理解者がいると伝える
  3. どんな小さな事でも「成長を感じた」ら褒める

子供のメンタルは、プレーする子供自身が気づいて考えることが1番大切です。しかし、子供たちのメンタルを支えるのは、近くにいる指導者や保護者でもあります。ここでは、その3つを一つずつ紹介していきます。

1. 子供の「チャレンジ」をしっかりと受け止めて褒める

子供たちのチャレンジは素晴らしい事です。どんな些細なことでも子供たちの進歩や成長に気づいて褒めて下さい。

子供たちのチャレンジする姿勢は、成長しようとしている最中です。そのチャレンジを否定しては、元も子もないのです。チャレンジはポジティブな事なので、たとえ失敗したとしてもチャレンジしたら褒めることが何よりも重要です。

ワンポイント:褒めるときは「結果」より「行動」を。「点が入った」ではなく「思い切って仕掛けたのが良かったね」と、挑戦そのものを言葉にすると、次の挑戦につながります。

2. どんな時も「家族」という1番のサポーター(理解者)がいるという事を伝える

子供たちが練習中に仲間に冷たい事を言われても、指導者に厳しい事を言われても、家に帰って自分の事をわかってくれる「家族」がいる事は幸せな事です。保護者さんは子供たちの1番の理解者になってあげて下さい。

それだけで子供たちはポジティブな気持ちになり、良いメンタル状態でいられるのです。子供たちにとっては、毎日の洗濯、美味しい食事なども良いメンタル状態を保つ重要な事なのです。

3. どんな小さな事でも、「成長を感じた」ら子供をほめる

どんな子供たちにも、指導者さんや保護者さんに褒められたいという気持ちがどこかにあります。褒められて嬉しくない子供はいないです。

子供たちにとって、指導者さんや保護者さんに褒められるという事は、自分に自信を持つきっかけになるからです。

試合や練習の中での些細な所にも気がついて「良いな」「頑張ったな」「成長したな」と思う所があれば、子供たちを褒めてあげましょう。子供たちの「褒められたい」という気持ちも、良いメンタル状態にする為に必要な要素なのです。

保護者ができる家でのサポート

技術指導はコーチに任せつつ、ご家庭では「気持ちの土台」をつくることでサポートできます。

  • 結果より過程を聞く:「勝った?」より「今日は何にチャレンジできた?」
  • プレーを否定しない:ミスの指摘より、挑戦したこと自体を認める
  • 切り替えを手伝う:負けて落ち込んでいたら、まず気持ちを受け止めてから前を向かせる
  • いつも通りの日常を保つ:美味しい食事や普段どおりの会話が、実は一番の支えになる

こうした家庭の空気が、子供が安心してチャレンジできる「良いメンタル状態」を支えます。

子供が良いメンタル状態の時に起こる、3つの良い行動

良いメンタル状態の子供たちには以下のような行動が見られます。

  • チャレンジができる
  • プレーの修正ができる
  • 仲間へのポジティブな声かけができる

子供たちのサッカーの試合や練習の中で「チャレンジをする」事は、簡単なようで難しいのです。

「失敗したらどうしよう」「指導者や親、仲間に怒られたらどうしよう」というネガティブな発想が先行してしまうと、普段の力どころか子供たちの半分の力も出せない事もあります。

一方、良いメンタル状態の子供は「失敗したら次はこうしよう」「失敗した後が大事だ」と考えられる為、プレーの修正をしながらチャレンジができるのです。子供たちがチャレンジする回数は、成長するチャンスの回数だと思って下さい。チャレンジの回数が多ければ多い程、子供たちの成長速度は大きくなります。

そしてポジティブな思考は、どんどん周りに伝染するのです。ポジティブな思考を持った子供は、仲間が失敗したとしても「大丈夫!切り替えよう」とポジティブな声かけができます。ポジティブな声かけをされた仲間は、さらにチャレンジをする事が出来るようになり、個人としてもチームとしても、良いメンタル状態が生まれます。

こうした「気持ちの土台」がある子は、技術の伸びも早くなります。メンタルとサッカーの成長の関係は少年サッカーで子供が成長するために大切なことでも詳しく触れています。

少年サッカーにおけるメンタルの重要性のまとめ

最後に、この記事の要点を振り返ります。

  • 良いメンタルとは「気持ちが強い」ことではなく、失敗をポジティブに捉え直せる状態
  • 少年期はチャレンジと失敗の量が成長を決めるので、メンタルが特に重要
  • ネガティブな声かけは挑戦を止め、悪い状態を招く
  • 大人ができるのは「チャレンジを褒める」「一番の理解者でいる」「小さな成長を見つける」

子供たちの良いメンタルを維持するには、子供たちに関わる人たちのポジティブな声かけや行動が重要です。もちろん子供たちのメンタルには波があり、良い時もあれば悪い時もあります。その良いメンタル状態を長くキープする事が成長へ繋がるのです。

頭ごなしに結果だけにとらわれて「良い」「悪い」と決めつけるのではなく、子供たちのチャレンジの「過程」にも目を向けて下さい。子供たちの失敗は失敗ではありません。失敗も成功に繋げられるかがとても重要なのです。

子供のメンタルは、プレーする子供自身が考えることが1番大切です。しかし、子供たちのメンタルを支えるのは、近くにいる指導者や保護者でもあります。

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皆さんで手を取り合って未来ある子供たちのメンタルを育てていきましょう

よくある質問

Q. 練習ではできるのに、試合になると力を出せません。どうすれば? 緊張や失敗への不安が影響していることが多いようです。まずは結果より挑戦した過程を認める声かけを続けると、子どもが安心して力を出しやすくなると考えられます。

Q. メンタルが弱い子でも変われますか? 「弱い」というより、一時的に良くない状態に入っているだけの場合が多いです。周りの声かけや環境を整えることで、少しずつ良い状態に近づけると言われています。

Q. 家庭では何をしてあげればいいですか? 技術面はコーチに任せ、家では気持ちの土台を支える役割が向いているようです。勝敗を問い詰めるより「今日は何に挑戦できた?」と過程を聞いてみてください。

Q. 試合中に子どもへ声をかけても大丈夫ですか? 指示が多すぎると子どもが萎縮しやすいと言われています。プレー中は見守りを基本にし、挑戦を褒める言葉を中心にすると、良い状態を保ちやすいでしょう。