「うちの子、なんだか楽しくなさそうに練習しているな…」——そう感じたことはありませんか。

サッカーの上達は、じつは「楽しい!」という気持ちから始まります。楽しいから続く、続くから上手くなる、上手くなるからもっと楽しい。この良い循環をつくることが、少年サッカーではとても大切です。

この記事は、こんな思いを持つ保護者に向けて書いています。

  • 息子が楽しくできる練習を知りたい
  • サッカーへのモチベーションを上げてあげたい
  • 楽しくなさそうに練習しているから、内容を変えてあげたい

少年サッカー指導歴22年の浦部が、親子2人でできる「楽しい練習」を3つ紹介します。どれも自分にボールが来てから相手に繋ぐところまでが入っているので、より実践に近いトレーニングです。難易度が少しずつ上がりますが、練習内容をしっかり理解して『楽しみながら』レベルアップしていきましょう。

この記事の結論(先に要点だけ)

ポイント要点
「楽しい」の正体ふざけることではなく、ゲーム感覚の「レベル上げ」
練習3つ①足裏スクエアパス ②クイックトラップ ③パスムーブ
身につく力ボールフィーリング・トラップ・パス・ムーブが一度に育つ
上達を早めるなら「できた!」を共有できる少人数・個別レッスンが効果的

「できなかったことができた!」という達成感が、次の「もっと上手くなりたい!」を生みます。それでは3つの練習を見ていきましょう。

【少年サッカー】楽しい練習3選

今回は『楽しく』をテーマに選びました。ゲーム性を入れることで、『もっとうまくなりたい』という気持ちを引き出します。まずは一覧で全体像をつかんでください。

練習メニュー主な目的目安(時間・回数)「できた」の基準
①足裏スクエアパス足元のボールフィーリングスムーズに1セット×反復声かけの逆周りをミスなくできる
②クイックトラップ落ち着いたトラップ様々な球を10本3秒以内orダイレクトで返せる
③パスムーブパス&動き出しの連結5〜10回連続パス後すぐマーカーを回れる

練習①『足裏スクエアパス』

この練習の楽しいポイントは、声をかけたら逆周りにするなど、相手が仕掛けてくること。そこでミスをせずにプレーできるかがゲームになります。

● 練習の流れ

  1. 2人で1メートルほど離れて向き合う
  2. 1人が右足の裏で左足の裏にボールを転がす
  3. 相手に左足の裏でボールを渡す
  4. 相手は右足の裏から左足の裏にボールを転がす
  5. 左足の裏で相手の右足の裏に転がす

ボールが2人の足元でスクエア(四角)に転がるまでが1セットです。

● 練習のポイント

  • まずはスムーズに1セットできるようにする
  • スムーズにできたら次は逆周りを練習する
  • 2人のどちらか『主』を決め、『主』が声をかけたら逆周り(とっさの判断をエラーせずできるように)
  • ボールを2つ使って行う(相手とリズムを合わせてボールを動かす)
  • ボール2つでスムーズに回せたら、声かけで逆周りもできるように
  • 慣れてきたら背筋を伸ばして姿勢良くプレーする

● 練習で得られるもの

足元のボールフィーリング力が上がります。また、足元でボールを扱う際に顔が上がり、姿勢良くプレーできるようになります。

よくある失敗:スムーズにできる前から逆周りや2ボールに進めてしまい、リズムが崩れて楽しさが半減する。まず「1セットを確実に」から順番に難易度を上げましょう。

練習②『クイックトラップ』

楽しいポイントは、難易度の高いボールを上手くトラップして返せたときの達成感です。

● 練習の流れ

  1. 2人で2〜3メートル開けて向かい合う
  2. 1人がスローイングの投げ方でボールを投げる
  3. もう1人がそのボールをトラップして返す

● 練習のポイント

相手に返すのに慣れてきたら、以下の条件を付け加えましょう。

  • 様々なボールを投げる(胸に、足元に、ワンバウンド、山なりなど)
  • トラップしてから3秒以内に相手に返す
  • 慣れてきたらダイレクトで相手に返す

● 練習で得られるもの

少年サッカーでは、スローインからのトラップミスでボールを失う場面をよく見かけます。落ち着いてトラップし、シンプルにリターンや自分でターンできるようになるためのトレーニングです。

よくある失敗:速く返そうと焦って、トラップが浮いたり足元から離れたりする。まずは「止める→返す」を丁寧に。スピードは慣れてから上げれば十分です。

練習③『パスムーブ』

3回連続・5回連続・10回連続ミスなしで続けるというように、ゲーム性を付け加えると程よいプレッシャーがかかり、より楽しい練習になります。

● 練習の流れ

  1. 2人で2〜3メートル開けて向かい合う
  2. 1人はパス出し役、もう1人はトラップから相手にパス(トラップする側の周りにマーカーを2〜4つほどランダムに置く)
  3. パスがきたらトラップ or ダイレクトでボールを返す
  4. 出した後、ランダムに置かれたマーカーの一つをステップで回って定位置に戻る

● 練習のポイント

  • パススピードを徐々に上げる
  • パスを出す時に、回るマーカーを指定し、パス後に素早くそのマーカーを回る
  • パスを出した足で一歩目のスタートをきる

● 練習で得られるもの

これはパスを出して動くためのトレーニングです。パスを出して止まるのではなく、考えて、パスの後にスムーズにムーブ(動く)しましょう。

最初はトラップとパスに専念してしまい、ムーブがうまくできないかもしれません。でも慣れてくると、トラップ・パス・ムーブまでがスムーズにつながります。

よくある失敗:パスを出して満足し、その場で止まってしまう。試合では「出して終わり」はありません。出したら動く、をセットで習慣にしましょう。

楽しく練習をするメリットとは

楽しく練習するというのは『ふざける』とは違い、テレビゲームで言うレベル上げです。極端に言えば、今の自分がレベル1なら、トレーニングを通してレベルを2、3、4と上げていくイメージです。

レベルアップすればトレーニングの難易度も上がります。難易度が上がっているということは、少しずつでも上手くなってきている証拠です。練習を続けることで、少しずつできるようになっていく。この「少しずつできるようになっていく」ことこそ、このトレーニング最大のメリットです。

できなかったことができるようになる。達成感を感じて「楽しい!」から「もっとできるようになりたい!」と思って努力する。それがポジティブなルーティンになっていきます。

「楽しい」が上達につながる理由は、サッカーが上手い子はここが違う|少年サッカーで伸びる子の共通点でも触れています。あわせてご覧ください。

楽しくサッカーをしてもらうために親や指導者ができること

トレーニングを理解して楽しく練習することが大切です。子どもたちが「楽しい」と感じるのは、次の2つの時です。

  • できなかったことができるようになった時
  • できた時に、ポジティブな言葉で褒めてもらった時

子どもの『できた!』という感情を、ぜひ一緒に共有しましょう。できるようになった選手を、たくさん褒めてあげてください。ポジティブなこと、達成できたことを一緒に感じることで、選手の「モチベーション」や「達成感」を高めることができます。

声かけの時に、できないところを『違う!』と突き放すのではなく、『今のも良いが、こうしたらもっと良くなるよ』というポジティブな声かけをするだけで、選手の成長スピードは早くなります。

保護者ができる家でのサポート

技術指導はコーチに任せつつ、ご家庭では「一緒に楽しむ環境」でサポートできます。

  • パートナー役になる:3つの練習はどれも相手が必要。親が相手をするだけで実戦的な練習になります
  • ゲーム化して盛り上げる:「連続何回できるかな?」と数えるだけでモチベーションが上がります
  • 結果よりチャレンジをほめる:失敗しても「今の挑戦は良かったね」と声をかける
  • できたことを一緒に喜ぶ:ありったけの笑顔で「できたね!」を共有する

声かけのコツをもっと知りたい方は、少年サッカーのメンタルを強くする親の関わり方も参考になります。

まとめ

今回紹介した練習は、

  • ボールフィーリング
  • トラップ
  • パス
  • ムーブ

と、サッカーに必要な要素がたくさん詰まったトレーニングです。要点を振り返ります。

  • 楽しむとは「ふざける」ことではなく、ゲーム感覚の「レベル上げ」
  • 3つの練習は、1つずつ理解して体に染み込ませることで少しずつできるようになる
  • 「できた!」の喜びが「楽しい」に、そして「もっと上手くなりたい!」に変わる
  • 親や指導者は、ポジティブな声かけで達成感を一緒に感じることが大切

レベルの上がり方には個人差があります。いきなりレベル1がレベル10にはなりません。1つ1つのトレーニングを理解し体に染み込ませることで、少しずつでも「できるようになる!」喜びが「楽しい」に繋がり、「もっと上手くなりたい!」というモチベーションに変わります。

この楽しむという過程(プロセス)を、ぜひ子どもと一緒に感じましょう。その時はありったけの笑顔で褒めて喜びましょう!

もっと年代に合わせて取り組みたい方は、低学年向けの練習メニュー高学年向けの練習メニューもどうぞ。

そして、「楽しい」を上達につなげたいなら、一人ひとりの『できた!』に寄り添える少人数のトレーニングが効果的です。少人数なら、コーチが達成感をその場で共有でき、モチベーションが続きやすくなります。

Breiruでは、定員8名の少人数制アカデミーと、一人ひとりの課題に合わせたパーソナルレッスンで、お子さまが「楽しみながら上手くなる」を後押しします。無料相談・お試しレッスンも実施していますので、お気軽にご相談ください!

よくある質問

Q. 練習が続かず、すぐ飽きてしまいます。 「連続何回できるかな?」とゲーム化すると、程よい集中が生まれて続きやすくなることがあります。短い時間でも「できた!」を一緒に喜ぶと、次への意欲につながります。

Q. 親がサッカー経験者でなくても相手役は務まりますか? 今回の練習はボールを転がす・投げる役が中心なので、経験がなくても十分に相手役になれます。上手さよりも、一緒に楽しむ姿勢の方が子どもには大切かもしれません。

Q. どのくらいの頻度でやればいいですか? 毎日長時間より、短くても楽しく続けられる頻度がおすすめです。飽きる前に切り上げるくらいが、「もっとやりたい」という気持ちを育てやすいと言われます。

Q. うまくできず子どもが落ち込みます。 まず「挑戦したこと」自体をほめてあげると、失敗も前向きに受け止めやすくなります。難易度を一段下げて「できた」を積み重ねると、自信を取り戻すことが多いです。