「息子の練習に付き合ってあげたいけど、効果的な練習メニューは何だろう?」「低学年になったら、どんな練習をすればいいの?」——そんな疑問を持つ保護者に向けた記事です。
低学年の自主トレは、1人でやるのがとても難しいものです。代表格はリフティングですが、それも色々な目的を持って行えば立派な自主トレになります。自主トレ用の器具もたくさん出ていて、家の中でもボールを使えるようになりました。ただ、今回紹介するのは親と2人で行うトレーニングです。
少年サッカー指導歴22年の浦部が、低学年に最適な練習を目的別に紹介します。良くできたところはたくさん褒めて、子どもに次のように思ってもらうことが、今回のゴールです。
- トレーニングが楽しい
- もっと練習したい
- もっと上手くなりたい
この記事の結論(先に要点だけ)
| ポイント | 要点 |
|---|---|
| 低学年で大切なこと | 自分の体を自在に動かせるようになること |
| 練習の狙い | 戦術より、判断・認知・反応・瞬発などの「土台」づくり |
| 練習4つ | ドリブル/トラップ/シュート/1対1の守備(目的別) |
| 何より重要 | 親子で「楽しむ」こと。楽しくないと続かない |
低学年は、高学年に向けた準備段階(土台づくり)の時期です。ゲーム性を取り入れながら、楽しく能力を伸ばしていきましょう。
【目的別】低学年が2人でできる効果的な練習メニュー
低学年のトレーニングに必要なのは、自分の体を自在に動かせるようになることです。頭で思ったことを、いち早く体に信号を送って実行させる。その中に、サッカーの要素や試合に使える動作・シチュエーションをイメージして取り組みましょう。親子で「楽しむ」ことも、とても重要です。
まずは4つの練習を一覧で確認してください。
| 練習メニュー | 主な目的 | 目安(時間・回数) | 「できた」の基準 |
|---|---|---|---|
| ①ドリブル(ナビゲーター) | 認知+タッチコントロール | 30秒 or 10回 × 反復 | 言われた色を見て素早く回れる |
| ②トラップ | 判断+トラップコントロール | 30秒 or 10回 | どんな球でも落ち着いて止められる |
| ③シュート | インパクト+準備のステップ | 30秒 or 10回 | ボールの中心を芯で捉えられる |
| ④1対1の守備 | 反応+瞬発 | 30秒〜1分 | 逆を取られてもついていける |
ドリブルを練習したい場合
このトレーニングには、プレーヤー(選手)とナビゲーター(司令担当)という2つの役割があります。
プレーヤーはナビゲーターに言われた色(物)にいち早く反応してドリブルを開始します。ボールにタッチする際も、細かいタッチでマーカー(物)を回りましょう。その時にナビゲーターを少しでも見ながらドリブルできたらGOODです。
● 練習の流れ
- 3ヶ所(三角形)か4ヶ所(四角形)、3m×3mの場所に色違いのマーカーを置く
- プレーヤーは真ん中にボールを持って立ち、もう1人は外でナビゲーターをする
- ナビゲーターの言った色のマーカーを素早く回り、元の位置に戻る
- 右足 → 左足 → 足裏 → フリー ※足のどの部分を使ってもOK
- 30秒か10回を1セット
● 気をつけるポイント
- 言われたマーカーを素早く認知して反応する
- 細かいタッチ、大きく運ぶタッチも使う
- 慣れてきたらドリブル中もナビゲーターを見る
● この練習で得られるスキル
- 瞬時に物事を判断する力
- ドリブルのタッチコントロール能力
- 物がどこにあるかを把握する認知能力
よくある失敗:色を言われる前からドリブルを始めてしまう。「見て→判断して→動く」の順番を守ると、認知の力が育ちます。
ドリブルをもっと深めたい方は、少年サッカーでドリブルが上達する3つのコツもあわせてどうぞ。
トラップを練習したい場合
色々なボールをトラップすることで体全体を使い、さまざまなトラップ(ゴロ、浮き球、速いボール、ゆっくりなボール)を練習できます。
● 練習の流れ
- 2〜3m離れて向き合う
- 親が色々なボールを投げる。慣れてきたら蹴る。プレーヤーがトラップしてパスを返す
- 慣れてきたらプレーヤーは後ろを向き、親の手の音や声かけで振り向いてからトラップしてパスを返す
- 30秒か10回を1セット
● 気をつけるポイント
- どんなボールが来ても反応できるように準備しておく
- 体のどの部分でもトラップできるようにする
- とっさの判断になるので、焦らないでトラップできるようにする
● 得られるスキル
- 瞬時にどこを使ってトラップするかの判断能力
- トラップコントロール能力
よくある失敗:足元だけで止めようとして、胸・もも・体の向きを使えない。「体のどこでも止める」を意識すると対応力が広がります。
シュートを練習したい場合
ドリブル・パスの一連の流れからシュートを打つ練習です。シュートでは「インパクト」を重視しましょう。足のどこに当たれば強いシュートが打てるのか? まずはコツを掴むため、蹴りやすいボレーシュートで練習します。
● 練習の流れ
- マーカーを縦に2〜3個、1m間隔で設置する
- 最後のマーカーの斜め後ろに親が立つ
- 置いたマーカーをドリブルでジグザグにかわす
- 斜め前にいる親にパスをする
- 親がボールを手でキャッチし、横にバウンドするように投げたボールをボレーでシュート
- 慣れてきたら色々なボールを投げる(ノーバウンド・足でパス)
- 30秒か10回で1セット
● 気をつけるポイント
- インパクトを意識させるためボレーにしているので、ボールの中心と足の甲の中心を合わせることにチャレンジする
- ボールに合わせてステップし、足を動かすことも大切
- ドリブル・パスも適当にしない
● 得られるスキル
- シュートインパクト能力
- 準備でのステップ能力
よくある失敗:足を振ることばかり気にして、ボールに足を合わせるステップができていない。「良いインパクトは良い準備から」です。
シュートの基礎をさらに固めたい方は、少年サッカーのシュート練習3選も参考になります。
1対1の守備を練習したい場合
相手の動きを見て、振り切られないようしっかりついていくトレーニングです。細かいステップで、相手を見て動けるようにしましょう。
● 練習の流れ
- 基準となる攻撃用コーンAを置く
- コーンAの直線上、10m離れた所に攻撃用コーンBを置く
- 攻撃側コーンA・Bの1m内側に、守備用コーンA・Bを置く
- 2人で攻撃と守備を決める
- 10m離した攻撃用コーン2つの真ん中に、30cmほど離れて2人で向き合う
- 攻撃はA・Bどちらかの攻撃用コーンをタッチしたら勝ち
- 守備は、攻撃がタッチしようとしているのと同じサイド(AかB)の守備用コーンをタッチすれば阻止できる
※攻撃がコーンAをタッチしようとしていたら、守備は守備用コーンAをタッチすることでディフェンス成功。この際、守備用コーンBをタッチしても成功にはなりません。
- 30秒か1分で1セット
● 気をつけるポイント
- 逆を取りにくる相手にうまくついていく
- 逆を取られても諦めずについていけばコーンに間に合う可能性があるので、諦めない
● 得られるスキル
- 相手を見てリアクションする反応能力
- 相手のスピードについていく瞬発力
よくある失敗:足を止めて相手のフェイントを待ってしまう。細かいステップを刻み続けることで、どちらに来ても反応できます。
守備の考え方をもっと知りたい方は、少年サッカーのセンターバックの役割も参考にしてください。
低学年の練習時に気をつけるべきこと
1〜3年生の低学年は、まだ戦術やポジショニングに当てはめてプレーさせようとしても、しっかり理解してプレーするのは難しいものです。それよりも、低学年の間は運動能力・判断能力・瞬発系などの能力を、高学年に向けてさらに発達させる準備段階と捉えましょう。
「自分の体をいかにスムーズに動かせるか」「より良い判断ができるか」が、今後必要になります。何より「楽しい!」という気持ちがないと続けられません。楽しい中で、上手くなるための準備(土台づくり)をしっかりやっていくことをお勧めします。
低学年の子供に親や指導者ができること
低学年の子どもたちは、褒められるといつも以上の効果やプレーを見せてくれることがあります。それは「上手くなりたい」「褒められたい」という気持ちが、モチベーションになっているからです。
親や指導者にいつも頭に入れておいてほしいのは、子どもたちは常に「褒められたい!」と思っているということ。ネガティブな言葉はできるだけ使わず、ポジティブな言葉で声かけしてあげることが重要です。
保護者ができる家でのサポート
技術指導はコーチに任せつつ、ご家庭では「相手役」と「声かけ」でサポートできます。
- 練習パートナーになる:今回の4メニューはどれも親が相手役。付き合うだけで質が上がります
- ゲームとして楽しむ:「30秒で何回できるかな?」と数えると盛り上がります
- できたことを具体的に褒める:「今の反応、速かったね!」と、良かった点を言葉にする
- ネガティブワードを減らす:「違う」ではなく「こうするともっと良くなるよ」に言い換える
声かけの理論をもっと知りたい方は、少年サッカーのメンタルを強くする親の関わり方もどうぞ。
低学年の効果的な練習メニューのまとめ
今回のトレーニングメニューは、サッカーに必要な
- ドリブル
- トラップ
- シュート
を通して、判断能力・認知能力・反応能力を意識したものです。要点を振り返ります。
- 低学年は「戦術」より、体を動かす力・判断・認知の土台づくりの時期
- ドリブル/トラップ/シュート/守備を、目的別に親子2人で取り組む
- これらの能力は小さな頃からトレーニングするほど、高学年での「成長の幅」が大きく変わる
- ゲームの要素を入れて、楽しみながら「もっと上手くなりたい」を引き出す
これらの能力は、小さな頃からトレーニングしていけば、高学年になるにつれて「成長の幅」が大きく変わってきます。低学年だからこそ身につけていきたいスキルです。
今回のトレーニングには、低学年向けにゲームの要素を取り入れてあります。特に低学年の子どもたちは、ゲーム性の高いトレーニングであれば楽しみながらやります。そしてより上手くなりたいという気持ちを駆り立てます。ゲームの要素を入れながら、徐々にサッカーの試合に変換していくことが重要です。親も子どもたちと一緒に「成長」しましょう!
もっと楽しく取り組みたい方は少年サッカーの楽しい練習3選、次のステップは高学年向けの練習メニューもあわせてどうぞ。
そして、土台づくりをより確実にしたいなら、一人ひとりの発達に寄り添える少人数のトレーニングが効果的です。少人数なら、コーチがその子のタッチ数や判断を丁寧に見て、たくさん褒めながら伸ばせます。
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よくある質問
Q. 低学年から戦術を教えた方がいいですか? 低学年は戦術より、体を動かす力や判断・認知などの土台づくりが向いていると言われます。まずは楽しみながら、いろいろな動きを経験させてあげるとよいかもしれません。
Q. 1日どのくらい練習させればいいですか? 時間の長さより、楽しく集中できる範囲が大切です。30秒や10回を1セットに区切り、飽きる前に終えると「もっとやりたい」という気持ちが続きやすくなります。
Q. リフティングが苦手でも大丈夫でしょうか? リフティングだけが上達の道ではありません。ドリブルやトラップなど、いろいろな練習で楽しく体を動かす方が、低学年の土台づくりには合っていることが多いです。
Q. 親がつい「違う」と言ってしまいます。 「違う」より「こうするともっと良くなるよ」と言い換えるだけで、子どもは前向きに受け取りやすくなります。まず良かった点を具体的にほめてあげるのがおすすめです。






