「ドリブル」と聞くと、ネイマールやクリスティアーノ・ロナウドのような、世界で活躍する選手の華やかなプレーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかしサッカーにおいて、ドリブルは華やかに相手を抜くためだけの技術ではありません。 本来ドリブルは、「トラップ」「パス」「シュート」と並ぶ、ゴールを決めるための「手段」なのです。
この記事は、こんな悩みを持つ保護者・選手に向けて書いています。
- ドリブルが上達するコツを知りたい
- 家でもできる効果的な練習メニューが知りたい
- そもそも少年サッカーでドリブルはどのくらい重要なの?
少年サッカー指導歴22年の浦部が、現場の視点でわかりやすく解説します。
この記事の結論(先に要点だけ)
| ポイント | 要点 |
|---|---|
| ドリブルの本質 | 抜くこと自体が目的ではなく、ゴールへ近づくための「手段」 |
| 上達する3つのコツ | ①ボールに触れる時間 ②集中力 ③イメージ |
| 練習の鍵 | 「顔を上げて周りを見ながら」ドリブルすること |
| 上達を早めるなら | タッチ数が増える少人数・個別レッスンが効果的 |
手段を磨けば磨くほど、よりゴールに近づけるようになります。それでは、具体的なコツから見ていきましょう。
少年サッカーでドリブルが上達する3つのコツ
ドリブルが上達するコツは、大きく次の3つです。まずは一覧で全体像をつかんでください。
| # | コツ | ひとことで言うと | よくある失敗 |
|---|---|---|---|
| ① | ボールに触れる時間を増やす | とにかく足元にボールを置く習慣 | 練習の時だけしか触らない |
| ② | 集中力を上げる | 夢中になれる環境をつくる | 周りが気になり中途半端になる |
| ③ | イメージしながらプレーする | 相手・味方を思い描いて動く | 何も考えずただ運ぶだけ |
①ボールに触れる時間を増やす
ボールに触れる時間を増やすことは、単純ですがとても大事です。 「ボールを常に触っていたい」と思っている子ほど、ボールを扱うのが上手くなり、ドリブルが上達していきます。
外だけでなく、家の中でもできるだけボールに触れる時間を増やしてあげましょう。
- テレビを見ながら足の裏でボールを転がす
- 登下校前後にリフティングを数分だけ
- お風呂上がりに足裏タッチを左右10回ずつ
よくある失敗:練習や試合の時だけしかボールを触らない。日常の「ちょっとした時間」の積み重ねが、ボールフィーリングの差になります。
②集中力を上げる
ドリブラーはドリブルしている時、試合中も自主トレ中も夢中になれます。 夢中になれるのは、集中力がとても上がっている証拠です。 自分の世界に入り込み、この「ゾーン」に入れる選手は、ドリブラーになる素質を持っていると言えます。
子どもがボールを触っている間は、集中できる環境を作ってあげることが大切です。
よくある失敗:横から声をかけすぎたり、次々に指示を出したりして集中を切ってしまう。まずは「見守る」姿勢を意識してみてください。
③イメージしながらプレーする
イメージとは、「相手をかわすイメージ」「ゴールするイメージ」など、様々な場面を頭の中で描けることです。 上手い選手になると、次の次の展開までイメージしています。
イメージするとは、ディフェンダーが次にこう動くだろうと予測してプレーすること。 練習では、コーンやマーカーをランダムに置いて「相手」や「味方」に見立ててドリブルするのがおすすめです。
よくある失敗:置いてあるコーンを「ただの障害物」として避けるだけ。「これは相手」「ここに味方がいる」と意味づけするだけで、練習の質は大きく変わります。
少年サッカーでドリブルが上達する効果的な練習メニュー
ドリブルと言っても、相手を「かわす」「ずらす」「食いつかせる」「運ぶ」など、様々な用途があります。 サッカーの中でのドリブルは、単純に相手を抜くことが全てではありません。
ここでは、様々なシーンで使える練習メニューを3つ紹介します。まずは一覧で確認しましょう。
| 練習メニュー | 主な目的 | 目安(時間・回数) | 「できた」の基準 |
|---|---|---|---|
| ①コーンドリブル+情報収集 | 顔を上げてタッチする | 5分 × 2セット | コーンに当てず顔を上げ続けられる |
| ②色付きマーカードリブル | 判断とタッチの両立 | 5分 | 指示色を即判断して細かく回れる |
| ③シチュエーション1対1 | 実戦に近い判断 | 各3本 | パス・目線を使って相手を外せる |
①コーンドリブル+周りの情報収集
コーンドリブルやマーカードリブルをしている子は多いでしょう。このトレーニング自体は悪くありません。
しかし、周りの状況がわからないままドリブルしているのなら、試合でも周りが見えず、ボールロストする確率が増えます。 周りの状況を把握するからこそ、ドリブルに意味が生まれます。
下記のドリブルを、姿勢よく・間接視野と首をうまく使い・顔を上げながらやってみてください。
- 右足のみのドリブル
- 左足のみのドリブル
- アウトサイドのみのドリブル
- 足の裏を使ったドリブル
ただし、姿勢を意識しすぎてボールタッチが雑になったり、コーンにぶつかったりしては本末転倒です。 目線を上げるタイミングには個人差があるので、自分のリズム・タイミング・ドリブルの形を作っていくことが大切です。
②色付きコーン(マーカー)へのドリブル
一辺5メートルの四角形の角に、それぞれ色違いのコーン(マーカー)を置きます。言われた色のマーカーを素早く回って真ん中に戻る、というトレーニングです。
- 言われた色を素早く判断する
- 細かいタッチでコーンを回る
- 常にパス・シュートが打てる状況を保つ
- 色を言う人を間接視野で確認する
「判断」と「タッチ」を同時に鍛えられるのがこのメニューの狙いです。
③様々なシチュエーションからの一対一
試合で起こりうる場面を想定した一対一は、とても効果的です。
- 後ろから追われる一対一
- 正面からプレッシャーをかけてくる一対一
- 横からプレスしてくる一対一
ただし、試合中に「完全な一対一」はそうそう起きません。どこかに仲間がいるか、仲間が来てくれる状況がほとんどです。
そのため、「パス」や「目線」といったフェイントを駆使した一対一(実際にはニ対一)でプレーした方が、より試合に近い状況で様々なプレーができるようになり、効果的です。
シュート練習と組み合わせると得点力がさらに伸びます。あわせて少年サッカーのシュート練習3選もご覧ください。
年代別|ドリブル練習で意識したいこと
同じドリブル練習でも、年代によって重点は少し変わります。目安として参考にしてください。
| 年代 | 重点 | おすすめの取り組み |
|---|---|---|
| 低学年(1〜3年) | ボールフィーリング・楽しさ | たくさん触る/遊びの中でタッチ数を稼ぐ |
| 高学年(4〜6年) | 顔を上げる・判断を加える | 情報収集を伴うドリブル/1対1・2対1 |
より具体的なメニューは、低学年向けの練習メニュー・高学年向けの練習メニューでも紹介しています。
保護者ができる家でのサポート
技術指導はコーチに任せつつ、ご家庭では「環境づくり」でサポートできます。
- ボールに触れる時間を確保する:家の中でも転がせる場所を用意する
- 集中を切らせない:触っている間は口出しを減らし、見守る
- 結果より過程をほめる:抜けたかどうかより「顔を上げられたね」を評価
- 一緒に楽しむ:親子で軽くパス交換するだけでもモチベーションが上がる
こうした小さな積み重ねが、子どものボールフィーリングと自主性を育てます。
少年サッカーでのドリブルの重要性
ゴールデンエイジ(小学中学年〜高学年)の時期に、基礎トレーニングを怠らず土台を築いておけば、その上に沢山の技術を乗せられるようになります。
特にドリブルは、小さな頃のボールフィーリングが、後々のサッカー選手としてのドリブル能力に大きく関わってきます。だからこそ、少年サッカーの時期に沢山ボールを触り、沢山ドリブルすることが大切なのです。
まとめ|少年サッカーでのドリブル上達
最後に、この記事の要点を振り返ります。
- 小学生年代は、とにかく沢山ボールと触れ合うことが大切
- ボールに触れる時間が長い選手ほど、ボールフィーリングが良くドリブルも上達する
- 触れる時に「情報を取り」「良いイメージをして」「相手を見ながら」プレーする
- これまでの練習に一手間加えるだけで、プレーはガラッと変わる
僕自身も、沢山ボールと遊び、学び、上手い選手の真似をしながら、少しずつボールフィーリングが良くなりました(笑)。
この記事が、ドリブルに対するイメージや考え方を変えるきっかけになれば幸いです。
そして、ドリブルを本気で上達させたいなら、少人数のサッカートレーニングが効果的です。少人数なら一人あたりのボールタッチ数が増え、様々なシチュエーションを練習しやすくなります。
Breiruでは、定員8名の少人数制アカデミーと、一人ひとりの課題に合わせたパーソナルレッスンで、お子さまのドリブル上達を後押しします。試合で活躍できるプレーができるよう、応援しています!
よくある質問
Q. 家が狭くてもドリブル練習はできますか? 足の裏でボールを転がしたり、その場での細かいタッチなら省スペースでも取り組めます。移動の少ないメニューから、ボールに触れる時間を少しずつ増やしてあげるとよいかもしれません。
Q. コーンドリブルばかりで、試合で活きているか不安です。 顔を上げて周りを見ながら行うと、試合につながりやすくなることが多いです。コーンを「相手」に見立てるなど、意味づけを加えるだけでも練習の質は変わってきます。
Q. 練習中につい口出ししてしまいます。 集中している時は見守る方が伸びやすいと言われます。声をかけるなら区切りのタイミングで、「顔を上げられたね」と過程をほめてあげるのがおすすめです。
Q. ドリブルばかりでパスをしません。大丈夫でしょうか? ドリブルはゴールへ近づく手段の一つなので、まずは得意を伸ばすのも良い時期です。1対1にパスや目線を混ぜる練習で、少しずつ選択肢を広げてあげるとよいかもしれません。






