少年サッカーの最適なコーチングとは? 親やコーチがするべき声掛け

  • 試合の時に、言ってはいけないことは?
  • 試合の時に、どのようにアドバイスしてあげればいい?
  • 試合の時に、どのような声がけをするのがいいの?

と考えている方に向けて、この記事では少年サッカーのコーチ歴10年以上の浦部(通称KJ)が、少年サッカーの試合の際の正しいコーチングを紹介していきます。

少年サッカーにおいて、試合中のコーチングはとても難しいものです。
練習と違い試合を止めて説明する事はできません。
言葉で細かく伝えようとしても、試合をしている子供達は必死です。監督、コーチの声が頭に入らない事は珍しくありません。

子供達へ行うべき試合中の声かけは、良いプレーへの声かけと、次につながるポジティブな声かけです。
子供達が伸び伸びプレーできるコーチングが、素晴らしいコーチングです。

良いプレーへの声かけを増やす事で、子供達が伸び伸びとプレーをするようになり、チャレンジを沢山する事で成功と失敗を経験する事ができ、チームもどんどん良いサイクルに入る事ができます。
指導者の声かけ次第で選手の気持ちを上げて、チームの成長、選手の成長に導く事ができるのです。

この記事を読んで、子供達への試合中のいい声かけをするきっかけにしてみてください。

少年サッカーの試合のコーチングで気をつけることは?

試合のコーチングで気をつけることは、失敗に対してコーチングするのではなく、ポジティブなコーチングをする事です。
少年サッカーを見ていて心が痛くなるのは「罵声」のようなネガティブなコーチングをする指導者です。「罵声」では子供たちは成長しません。

罵倒のようなネガティブなコーチングでは、子供たちは混乱してしまうのです。罵声をすると、子供たちは下記のようなネガティブなマインドでプレーしてしまいます。

  • 怒られるのを怖がりながらプレーする
  • ミスしたくないからチャレンジしない
  • 普段出来ているプレーが出来なくなる

逆に、子供達がポジティブなマインドでプレーすると、下記のようなプラスの事が起こります。

  • 試合中に仲間とコミュニケーションを取り、プレーの修正を話し合う
  • 失点やミスをした時に、前向きな声かけをする
  • 積極的にシュート・スルーパスが出来る

そのために、ハーフタイムはじっくり選手たち自身に話をさせますし、選手たちに話もします。
指導者は子供たちとハーフタイムに、

  • 何が上手くいって何が上手くいかなかったのか
  • これからどこを修正するのか

などを話してから後半に望むようにすると、前半と後半でまた違った子供たちの成長が見られます。
皆さんもネガティブなコーチングからは何も生まれない。という事を忘れないでほしいです。

少年サッカー試合時におすすめの声掛け

子供達が良いプレーをした時も失敗をしてしまった時も、ポジティブなコーチングを心がけましょう。

選手が前向きになれる声かけは、子供達の背中をそっと押してくれます。
当たり前ですが、子供達は褒められると嬉しくなり、「もっと頑張ろう!」 と考えるようになります。

指導者さんや保護者さんは、子供達のプレーや立ち振る舞いで、上手く出来たことに沢山気づけるようにアンテナを張りましょう
一度に完璧な声かけをする事は難しくても、ちょっとづつ意識していけばいいんです。
試合でのプレーもその一つ一つを見逃さないようにしましょう。

良い声かけ3つの例

ここからは試合中でのいい声かけの例を3つご紹介していきます。

良い例① 「ナイスチャレンジ!」

「ナイスチャレンジ!」という声かけは、子供たちの更なるチャレンジを後押しします。

この声かけは、ドリブルで相手に仕掛けるなど、チャレンジした選手に使うことが多いです。その他のプレーでも積極的なプレーには誉めましょう。
子供たちの積極的なプレーにはポジティブな要素が沢山あります。

チャレンジした事をポジティブに受け止めて、「もっとこうしたらよかったんじゃないか?」 と子供達に選択肢を与えてあげると、子供達も同じミスをしない為に考えてプレーするようになります。

良い例②「スルーパスを狙う姿勢は間違っていないよ!」

「スルーパスを狙う姿勢は間違っていないよ!」と声かけする事で、選手達がパスミスをしたとしても、消極的にならないようになります。

スルーパスは相手の裏を狙う事で相手ゴールに近づく良いプレーであり、スルーパスを狙う姿勢はポジティブな事です。
スルーパスを出そうとしたプレーは、ゴールを目指して顔を上げて、スルーパスを出す仲間を見れていたという事です。
チャレンジしているプレーなので、失敗したとしてもポジティブに受け入れましょう。

ポジティブに考えるという事は、修正できる可能性が沢山あるという事です。
修正すれば、失敗したプレーも成功に変えることができます。
ポジティブな声かけにより選手たちは考えてプレーするようになります。

良い例③「切り替えて次のプレーをしよう!」

「切り替えて次のプレーをしよう!」という声かけは、子供達がミスをしてもチャレンジする事を恐れないようにさせる為のコーチングです。

シュートをしたが、外れてしまった時などに使えます。
シュートを狙う事はサッカーのプレーでも特に大事なプレーと言えます。
ミスを恐れては次のチャンスも、またミスしてしまうかもしれません。

シュートを打つというのは誰よりも「ゴールしたい!」と思えたからなので、この積極的な姿勢は褒めるべきです。
「シュートまでの段階でミスに繋がるプレーがなかったか?」 を指摘してあげると、よりシュートまでの流れがスムーズになります。

指導者は、この声かけのように子供達の背中を押すような声かけをしてあげましょう。

悪い声かけ3つの例

ここからは試合中での悪い声かけの例を3つご紹介していきます。

悪い例① 「何で取られるんだ!」

 「何で取られるんだ!」という声かけは、ボールを取られた原因が分からない子供達はどんどん消極的になってしまいます。

ボールを奪われたという事だけで、コーチングしても何も解決しません。
「何故取られてしまったのか?」を子供達自身に考えさせるような、コーチングをしましょう。

下記のように、取られてしまったと言う結果ではなく、過程でのコーチングに変えてみましょう。

  • 「キーパーの位置は見てた?」
  • 「ボールの置き場所はそこでよかった?」
  • 「パスの強さは今のでよかった?」

ドリブルやパスでボールをとられたのなら、ドリブルやパスの方向の修正、ボール持ち方、目線、相手DFとの駆け引きをコーチングする。
このように、プレーの結果を責めるのではなく、過程をコーチングする事が重要です。

例②「ちゃんとパスをだせ!」

「ちゃんとパスをだせ!」のような漠然としたコーチングだと、子供達も困惑してしまいます。

代わりに下記のように、ミスの原因が何なのか考えさせるコーチングをしてあげましょう。

  • 「なぜスルーパスが繋がらなかったんだろう?」
  • 「味方の動きは見えていた?」

何故そのパスをカットされたのかを指導者が整理して、子供たちに問いかけるコーチングをすれば、より選手たちは考えてプレーするようになります。

例③「決めろよ!」

「決めろよ!」という声かけも結果論になってしまっています。
ゴールを決めたくない選手なんていません。

ゴールを狙っていた選手がゴールを決める為に、

  • 「ボールのもらい方はそれでよかった?」
  • 「キーパーの位置は見てた?」

などプレーの過程をコーチングする方が、子供たちは次のプレーで修正する事ができます。

「決めろよ!」のような投げやりなコーチングは、選手のチャレンジ精神も奪ってしまうので、プレーの過程やポジティブな声かけに変えていきましょう。

【番外編】練習時のコーチングはこうすればいい

練習でも沢山チャレンジができる声かけを心がけましょう。ポジティブな声かけは子供たちに「やる気」や「自信」をもたらすことができます。

子供たちは練習で出来たプレーしか、試合でプレーすることができないです
子供たちは稀に試合で教えてないプレーをすることもありますが、基本的に練習した事が中心です。

指導者は、子供たちの積極的なプレーを褒めるコーチングを意識して下さい。
逆にネガティブな声かけをすると、子供達から「やる気」や「自信」を奪う可能性もあります。子供達のプレーを一度肯定してあげる事が重要です。

頭ごなしに否定をするのは、子供達のモチベーションを下げる事になるので気をつけましょう。

少年サッカーの最適なコーチングのまとめ

監督、コーチが発する「コーチング」には子供達をポジティブに導く事もできるし、ネガティブに追い込む事もあります。

「これを言えば良い」と言う言葉だけのコーチングではなく、1人1人のプレーをしっかり見てコーチングできるようにしましょう。
良いコーチングの為には、普段から子供達とコミュニケーションを沢山とることです。

子供達にとって良いコーチングとは、自分の事をしっかり観察し自分の為に情熱を持ってコーチングしてくれる事です。

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投稿者プロフィール

Urabe Kenji
Urabe Kenjiプロフェッショナルなサッカーコーチ
元ソサイチ(7人制サッカー)日本代表キャプテン・サッカーコーチ歴15年・メンタルコーチ。
僕が指導していく中で大事にしている事は、サッカースキルだけではなく、チャレンジ精神とバイタリティを育てることです。僕が持っている知識を発信してきます。

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