「リフティングが何回できるか」で一喜一憂していませんか。
回数は上達の目安になりますが、リフティングの本当の価値は「回数」そのものではありません。 ボールの落ちる位置を予測し、足の面でやさしく受け、力を抜いて扱う——この一連の感覚こそが、試合でのトラップやドリブルに直結していきます。
この記事は、こんな悩みを持つ保護者・選手に向けて書いています。
- リフティングが続かない・なかなか回数が増えない
- 初心者は何から練習すればいいのか知りたい
- 年代やレベルごとの「目標回数の目安」を知りたい
少年サッカーコーチの浦部が、現場の視点でわかりやすく解説します。
この記事の結論(先に要点だけ)
| ポイント | 要点 |
|---|---|
| リフティングの目的 | 回数より「足元の感覚」と「ボールコントロール」を磨くこと |
| 続けるコツ | 足の面を平らに・軸足を安定・低く小さく・回転を抑える・膝を柔らかく |
| 初心者のステップ | ワンバウンド → キャッチ → 2回 → 連続の順で少しずつ |
| 目標回数 | 年代・レベルで異なる。数値はあくまで「目安」 |
| 上達を早めるなら | タッチ数が増える少人数・個別レッスンが効率的 |
数字を追いかける前に、まずは「なぜリフティングをするのか」から見ていきましょう。
リフティングの意味と効果
最初に、リフティングで身につく力を一覧で確認します。ただの「回数当てゲーム」ではないことがわかるはずです。
| 身につく力 | 試合でどう活きるか |
|---|---|
| ボールの落下点を予測する感覚 | 浮き球のトラップ・ヘディングの落下点合わせ |
| 足の面でやさしく受ける感覚 | ピタッと止まるトラップ、ボールが足につく感覚 |
| 力を抜いてボールを扱う感覚 | 細かいドリブル、無理のないパス |
| バランス・体幹の安定 | 競り合いで倒れない、姿勢よくプレーできる |
リフティングは、ボールと自分の距離感をつくる基礎練習です。 毎日少しずつ触れることで、ボールが「体の一部」のように感じられるようになっていきます。
ワンポイント:回数が伸びなくても落ち込む必要はありません。「昨日より足の面がまっすぐ当たった」「膝で受けられた」など、感覚の小さな変化に目を向けると練習が続きやすくなります。
ボールを触る量そのものが土台になる点は、ドリブルの上達とも共通しています。あわせて少年サッカーでドリブルが上達するコツと練習メニューも参考にしてください。
リフティングが続く・上達する5つのコツ
うまく続かない子には、共通したつまずきがあります。まずは5つのコツを一覧で押さえましょう。
| # | コツ | ひとことで言うと | よくある失敗 |
|---|---|---|---|
| ① | 足の面を平らにする | 足の甲・親指の付け根で水平に受ける | つま先が下がってボールが前に飛ぶ |
| ② | 軸足を安定させる | 立っている足で体を支える | 軸足がふらついて姿勢が崩れる |
| ③ | 低く・小さく上げる | ひざ〜腰の高さで小さくコントロール | 高く上げすぎて次が続かない |
| ④ | ボールの回転を抑える | 無回転に近い上がり方を意識する | 強く蹴って回転がかかり暴れる |
| ⑤ | 膝を柔らかく使う | 衝撃を吸収するように受ける | 足首・膝が固くて弾いてしまう |
①足の面を平らにする
ボールを当てる面が斜めだと、ボールは前や横へ逃げていきます。 足の甲から親指の付け根あたりを、地面と水平に近い状態でボールの真下に入れるのが基本です。 足首を軽く固定し、面を上に向けるイメージを持つと安定しやすくなります。
②軸足を安定させる
蹴る足ばかり意識して、立っている足がおろそかになる子は多いものです。 軸足がぐらつくと、面の角度も安定しません。 軸足の膝を軽く曲げ、地面をしっかり踏んで体を支えることで、上げる足に集中できます。
③低く・小さく上げる
初心者ほど、ボールを高く上げてしまいがちです。高いと落下点の予測が難しく、次のタッチが乱れます。 ひざから腰くらいの高さで、小さくコントロールする方が、リズムがつくれて連続しやすくなります。
④ボールの回転を抑える
強く蹴るとボールに回転がかかり、あちこちへ暴れます。 「蹴る」より「乗せて押し上げる」感覚で、無回転に近い上がり方を目指しましょう。回転が減るだけで、驚くほど扱いやすくなります。
⑤膝を柔らかく使う
足首や膝が固いと、ボールを弾いてしまいます。 受ける瞬間に膝を少し引いて衝撃を吸収すると、ボールが足に吸いつくように上がります。力を「入れる」より「抜く」意識が大切です。
よくある失敗:うまくいかない原因を「蹴る強さ」だと思い込み、余計に力んでしまう。多くの場合、原因は「面の角度」と「力の抜き方」です。まずはやさしく、小さく、が合言葉です。
初心者のリフティング練習ステップ
いきなり連続を目指すと、続かずに嫌になってしまいます。 「できた」を積み重ねられる小さな階段を用意しましょう。次の順番で進めるのがおすすめです。
| ステップ | 練習内容 | 目安 | 「できた」の基準 |
|---|---|---|---|
| ① | ワンバウンドリフティング | 5〜10分 | 落として1回蹴り、また手でキャッチを繰り返せる |
| ② | 蹴ってキャッチ | 5分 | 手で落として1回蹴り、直接手でキャッチできる |
| ③ | 2回だけ連続 | 5分 | 落とさず2回続けて蹴れる |
| ④ | 3〜5回の連続へ | 5〜10分 | リズムよく数回続けられる |
| ⑤ | 記録に挑戦 | 5分 | 自分の最高回数を少しずつ更新する |
①ワンバウンド → ②キャッチ → ③2回 → ④連続
最初はワンバウンドを挟むところから始めます。手で落として地面で1回バウンドさせ、上がってきたボールを1回蹴って、また手でキャッチ。これを繰り返すだけで、面の当て方と落下点の感覚がつかめます。
慣れてきたら、バウンドをなくして「手で落とす → 1回蹴る → 手でキャッチ」に。 次に「2回だけ連続」を目標にし、そこから3回、5回と、1回ずつ階段を上げていくのがコツです。
ワンポイント:利き足だけで100回より、左右両足で10回ずつの方が試合では役立ちます。苦手な足こそ、早い段階から少しずつ混ぜていきましょう。
低学年のうちは「正しくやる」より「楽しく触る」を優先して大丈夫です。低学年向けの取り組みは低学年のサッカー練習メニューでも紹介しています。
年代・レベル別|目標回数の目安
回数はモチベーションの目安になりますが、成長にも個人差があり、下の数字はあくまで「目安」です。 回数が少なくても、面の使い方や左右差の少なさなど、質の面で伸びている子はたくさんいます。数字だけで判断しないでください。
| 年代・レベル | 連続回数の目安 | 意識したいこと |
|---|---|---|
| 未就学〜低学年(初心者) | 数回〜10回程度 | ワンバウンドでもOK。楽しく触ること |
| 低学年(慣れてきた) | 10〜30回程度 | 低く小さく、左右両足を混ぜる |
| 中学年 | 30〜50回程度 | 回転を抑える・面を安定させる |
| 高学年(基礎ができた) | 50〜100回程度 | 左右差を減らす・もも/胸も取り入れる |
| さらに挑戦したい子 | 100回以上 | 移動しながら・種類を増やして応用へ |
大切なのは、「今の自分より少し上」を目標にすることです。 まわりと比べるより、昨日の自分と比べる。その積み重ねが、結果的に回数にもつながっていきます。
よくある失敗:目標を高く設定しすぎて、達成できずに嫌になる。最初の目標は「今できる回数+2〜3回」くらいがちょうどよく、続けやすいです。
リフティングでよくある失敗
つまずきポイントを知っておくと、練習の修正が早くなります。
- つま先が下がる:ボールが前に飛ぶ → 足の面を水平に、真下に入れる
- 高く上げすぎる:次が続かない → ひざ〜腰の高さで小さく
- 力みすぎる:回転がかかって暴れる → 「蹴る」より「乗せる」
- 軸足がふらつく:姿勢が崩れる → 立っている足で地面を踏む
- 利き足ばかり:試合で偏る → 早めに左右を混ぜる
一つずつ確認していけば、必ず改善のヒントが見つかります。すべてを一度に直そうとせず、その日は1つだけ意識するくらいがちょうどよいです。
保護者ができる家でのサポート
技術指導はコーチに任せつつ、ご家庭では「続けられる環境づくり」でサポートできます。
- 触れる時間を確保する:庭やベランダなど、短時間でも触れる場所を用意する
- 回数より過程をほめる:「膝がやわらかく使えたね」など、質の変化を言葉にする
- 記録を一緒に楽しむ:カレンダーに最高回数を書くなど、成長を見える化する
- 口を出しすぎない:触っている間は見守り、集中を切らせない
- 一緒にやってみる:親子でどちらが続くか競うだけでも、練習が楽しくなる
「うちの子、全然続かなくて」と感じても大丈夫です。リフティングは、毎日数分でも触れ続けた子が着実に伸びる練習です。結果を急がず、続く工夫を一緒に探してあげてください。
まとめ|リフティングは「回数」より「感覚」
最後に、この記事の要点を振り返ります。
- リフティングの目的は回数ではなく、足元の感覚とボールコントロールを磨くこと
- コツは「面を平らに・軸足を安定・低く小さく・回転を抑える・膝を柔らかく」
- 初心者はワンバウンド → キャッチ → 2回 → 連続の順で階段を上る
- 目標回数はあくまで目安。昨日の自分を少しずつ超えることが大切
- 左右両足を早めに混ぜると、試合で役立つ力になる
リフティングは、一人でコツコツ積み上げられる数少ない練習です。とはいえ、面の角度や力の抜き方は、自分では気づきにくい部分でもあります。
そこを効率よく直したいなら、一人あたりのタッチ数が増える少人数のトレーニングが効果的です。すぐにフィードバックがもらえる分、正しい感覚が早く身につきます。
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よくある質問
Q. リフティングは1日どれくらい練習すればよいですか? 時間の長さより、毎日少しでも触れ続けることが大切とされています。数分でもボールに触れる習慣がつくと、子どもの足元の感覚は少しずつ育ちやすくなります。
Q. 子どもがなかなか続かず、回数も増えません。どうすればよいですか? 回数より過程に目を向けてあげると、続けやすくなることが多いです。「膝がやわらかく使えたね」など質の変化をほめ、ワンバウンドなど小さな成功から積み重ねてみてください。
Q. 目標回数に届かないと、試合で活躍できませんか? 必ずしもそうとは限りません。回数はあくまで目安で、面の使い方や左右差の少なさなど質の面が試合では役立ちます。昨日の自分を少しずつ超えることを目標にするとよいでしょう。
Q. 利き足だけでたくさんできれば十分ですか? 試合では両足を使えると有利になりやすいです。利き足だけで多く続けるより、苦手な足も早めに少しずつ混ぜていくと、実戦で活きる力につながりやすくなります。






